12月25日(月)来シーズンよりロアッソ熊本に就任します織田ゼネラルマネージャーと渋谷監督が就任会見を行いました。
織田ゼネラルマネージャー
2018年1月からロアッソ熊本ゼネラルマネージャーに就任することになりました織田秀和です。
私も普通の人間で魔法使いではございません。微力ながら、クラブの発展のため、地域のサッカーの発展のため、また昨年の震災で傷つかれた方々の力に少しでもなれますよう全力を尽くしたいと思います。よろしくお願い致します。
渋谷監督
来季からロアッソ熊本の監督に就任いたします渋谷洋樹です。
私も今シーズンは大宮アルディージャの監督をやって、解任という形になり、またロアッソ熊本は今季21位という本当に悔しい思い、苦しいシーズンだったと思います。永田社長とお会いした時に、私自身は私自身の悔しさもありますけれども、熊本さんのファン、サポーターの皆さんが今年非常に悔しいシーズンだったのではないかと私自身は分かっていますし、来季は本当に全員で力を合わせて、もちろん上を目指して、J1の近いところに行けるような思いを持って、託されたと思っていますので、覚悟を持って戦いたいということで、今回、監督のお話を頂いた時に、私はやりたいと伝えました。それを受け止めてくれて、関係者の方、ロアッソに関わる人達にとっては、本当に私は感謝しかありません。この感謝を私自身全力を尽くして、クラブの為に戦って参りたいと思います。また、昨年の震災から復興している途中になりますが、その方達の為にも、我々のサッカーを見せて、元気と勇気を与えられるような戦いをして、来季は良い1年だったと思えるような戦いをして終わりたいと思います。私も昨日、熊本に来た時に、熊本駅のくまモンのところで写真を撮ったりして、良い所だなと思って散歩をしていました。食べ物も昨日も今日も食べて、美味しいものもたくさんあるので、監督としてしっかり充実したサッカーで戦いに挑みたいと思いますので、よろしくお願い致します。
下記はメディアの皆様の質疑応答について
Q:今季のロアッソ熊本の課題をどう捉えていて、どう改善して、どのような戦い方をしていきたいか?
渋谷監督:清川監督と池谷監督に変わってからは、戦い方、システムでいうと変更していたところがあったと思いますので、戦い方を見ると得点が少ないと、失点はそう多くはないと思います。私が見ている中では、私がやっていた大宮と似ているなと感じます。ボール扱いはみんな上手いので、しっかりボールを大事にサッカーをしようというのがあったと思うので、ペナの中に思い切ってボールを入れて、そこでセカンドボールを拾ってとか、そのような思い切ったことも必要ですし、技術的なところの質を上げる、これは私が前のチームの監督をやっている頃からそうですが、選手の成長と向上が絶対的に必要となってくるので、技術的なところ、あとはゴール前での戦いをしっかりとワンタッチでプレーするとか、そういうところの思い切りの良さは必要ではないかと思います。良い形で攻撃をしている時に、シュートを打つとか、得点をするとか、最後はやり切る形にもっていったら、もしかしたら得点につながったりするのではないかと、それが失点を防ぐ一つの手なのではないかと思います。ただ、失点をしているシーンを見ても、もっとラインを上げたりとか、ボール際の厳しさ、タフさは必要、そういうところをしっかりと高めていかなければいけないとは思いますので、何がと言うよりは、一つ一つのプレーの向上をすることが重要ではないかと思います。
Q:中長期的にどういう所がロアッソが上に上がっていくために必要か、どういうことをやりたいか?
織田GM:私が所属していた広島もそうでしたが、熊本も首都圏や関西圏から距離があるということ、経営規模のことを考えると、即戦力の選手を連れてくることはなかなか難しいのではないかと思います。そうであれば、自分たちで選手を育てるということに注力をしていけば良いのではないかと思います。育成というのは、我々のアカデミーで育てるということももちろんですが、アカデミーに限ることなく、高卒や大卒の新卒の選手、あるいは他クラブで出場機会が得られていない若手の選手、もしかするともう一花咲かせたいと思っているベテランの選手、そういった選手達を我々のクラブでしっかり育成をして、そしてチームを作っていく、そういうところがロアッソ熊本の目指す方向性ではないかと思っています。そのためにも我々のクラブの指導者が自分たちの指導力を研鑽することはもちろんですが、地域の指導者の方々、あるいはサッカー関係者の方々、そういう方々とうまく連携を取りながら、ロアッソだけでなく、熊本県全体で選手を育成できる、そういうクラブ作りに取り組んでいきたいと思います。
Q:来季の目標の順位やチームの編成はどうしていきたいか?
織田GM:まだ渋谷監督とも強化担当ともこのような話を十分していないので、やるからには今いる選手達も悠長に構えている場合でもないと思いますので、少しでも上に行く、あるいはJ1の道が見えるところまで行くところが大きな目標であると思います。ただ、来季は何位になるという即答が今はできかねますので、ご容赦ください。
渋谷監督:私は監督である以上、J2にいるということは、上を目指して戦わなければ何も起こらないと思いますので、そこを目指していく中で、いろんな順位が決まってくると思いますが、絶対にJ1に行かなければいけない、と言うチームなのか、今どこを目指していくのかというのは、目標設定としては一番難しいクラブ、J2で21位だったということで、J1行きますと言うのは合っているのかと、自分ではいつもいろいろと考えていますけれども、1戦1戦勝利するということを私自身監督として準備をすることが大事だと、どのカテゴリーでもどの年代でも言ってきているので、1戦に向けての準備をするということで勝利を目指すということが、最終的にJ1に繋がるということになっているので、それを目指してやっていきたいと思います。
Q:オファーを受けられて熊本で仕事をすることを決められた決め手や心を動かされたこと
織田GM:私が今年末で広島で退任することになることが発表されてから、一番にお電話をいただいたのがロアッソさんでした。私はサンフレッチェ広島創設から23年間は強化の方に関わってきました。直近の3年間は社長ということで経営に携わってきましたけれども、私の気持ちの中では、もう一度いつかはチームの強化の方をやってみたいという強い思いがありました。そういう時にちょうどお声がけをいただいて、しかもお目にかかっていろいろとお話を伺うと、永田社長の熱い、クラブをなんとかしたいという熱意が伝わりましたし、私自身に対してチーム強化に対してまずは専念して、そこを何とかして欲しいというお言葉も頂戴致しました。そういう意味では私がやりたいと思っていることに対して、非常に良いオファーを頂戴したと感じて、熊本さんでお世話になることにしました。私にとって新たなチャレンジの機会を与えていただいたことに心から感謝をしております。
渋谷監督:私は6月からずっとフリーで、各チームに練習や試合を見に行ったり、海外にも行って、現場に立つということは実はすごく大変なんだなとその時にすごく感じました。いろんなコーチの話や協会の話などいろいろあったんですけれども、監督の話はそんなになかったところで、私自身、この話をいただいた時に、まだ監督をやりたいということを外を見て非常に思っていたところで、熊本さんから話がきました。池谷さんもロアッソを立ち上げてからずっと、しっかりクラブとしてやってこられて、強化部長でいました飯田さんも僕の高校の1つ下の後輩で、非常にしっかりとクラブ作りをしてきたと思います。そういう先人の事業を今後未来への歴史を引き継ぐ、それを自分もやりたいと、それと悔しさ、自分自身の悔しさもそうですけれども、熊本さんの今年の結果の悔しさもとにかく晴らすために一緒になって戦いたいということが、一番の理由です。現場に立てることの感謝をして、それを現場でしか晴らせないので、そういうオファーを頂いた時に自分の中で整理をして、そういう答えを出しました。
Q:熊本のこれからアカデミーをこうしていきたい考え、実際、熊本に来て感じたこと。
織田GM:私もまだこの会見の後にアカデミーのコーチと会ってお話させていただく予定でおりますが、私なりに情報収集したいと思っています。今、自分が感じていることは、決してロアッソさんのアカデミーが遅れているということは全くなくて、歴史は広島に比べて新しいかもしれませんが、熊本県には高体連で非常に強いチームがありますし、あるいは中学生年代でも非常に強い街クラブがあります。こういった方々とうまく連携を取りながら、高体連の選手をユースに引っ張ってというのではなくて、お互いに交流を深めて、お互いのレベルを高めながら、その上で高体連を出た子がロアッソに入って来てくれるような、そういう仕組みが作れないかなと考えています。
Q:熊本の印象は?
織田GM:昨日はクリスマスで商店街の近くで家内と食事をしていたら、女子学生がクリスマスソングを歌いながら行進をされていて、なかなか広島ではお目にかかったことはないなという風景を見ました。非常に落ち着いた街だと思います。馬刺しと焼酎を飲むのを楽しみにしております(笑)
渋谷監督:昨日熊本に来て、まず道がすごく狭いなと(笑)。昨日通ったところがそうなのか、夜違うところで食事してホテルに帰って来るときに、タクシーの運転手さんがすごく細い道を行くので、その前の物件を探す時も細い道を走っていたので、非常に狭い道がたくさんあるんだと、またそこですれ違うのもスピードを上げていく人もいるなと、車の運転は気をつけなければいけないな(笑)とすごく感じました。物件は練習場から近い所に決めましたので(笑)あと食事はすごく美味しいです。
Q:永田社長に、織田GMと渋谷監督の決定となった決め手、お二人に期待していること。
永田社長:決めては熱意とお人柄、サッカー素人の私と話す時も、本当に僕の思いを全て聞き取りたいという感じで真正面からお互い向き合って、本当に思いをきちんと聞いていただいて、迷うことなくお願いをしました。期待することはきをてらうことなく、現実を見つめながら、1歩1歩しかし確実に進んでいこうというお二人の気概と言いますか、そういう考え方に共鳴したからということでございます。
Q:昨年の地震で熊本は復興支援活動などをいろいろな取り組みをされていますが、外から見て、熊本はどのような存在であるべきか、どう感じていましたか?また今回、クラブに入られてどのように尽力していきたいか?
織田GM:昨年は私は広島の立場で、東京で実行委員会がありますが、当時は池谷さんが熊本の代表として出席していまして、池谷さんが報告をされる度に胸が痛みました。ただ、震災のダメージ、めげることなく選手たちがまずは地域の皆さんのためにボランティア活動や子供達とサッカーをしたりなどの活動をしていたと記憶しておりますが、非常に心優しい、心温まる選手達だなと感じたのと、サッカーができるような環境になった時に、夏場の非常に厳しい時にロアッソさんだけは未消化の試合をしなければいけないとうことで、非常にタイトなスケジュールのなか戦われた、そういうことではタフな選手達だったなと思います。優しい心、タフな心を持った本当に心強い選手達だという風に思いました。今後については、まだまだ復興がなされているわけではございませんので、サッカーを通じて、皆様に喜んでいただく、あるいは楽しんでいただくことはもちろんですけれども、やはり我々にできること、実際に現地に足を運ぶことかもしれませんし、あるいは募金活動をすることかもしれません。できることは必ずやっていきたいという風には思っております。
渋谷監督:まず我々が現場でできることは、まず結果を残すということです。ピッチを見ている方達が、最後まで、倒れるまで、頑張っているというところを選手が見せることが、私がやらせられる、私自身もそうですが、選手が見せることが大事なのではないかと思います。昨年の4月の時に飯田さんや清川元監督や財前元コーチ、皆、私の後輩で一緒に北海道で戦った仲間なので、すぐ電話するとまだ車の中にいますとかいう話で、何か送ろうかと言いましたが、まだ今は送っても難しいということで、その時に選手たちがボランティア活動などをしている映像なども見ていて、私はこちらに来て何かやったというわけではありませんが、選手たちがあの夏場の時期にボランティア活動を必死にやっている、練習もままならないとも聞いてましたし、いろんな厳しい状況でもタフに戦ってたのではないかと。私は現場の結果をしっかり見せる、プレーで見せる、それが力になってもらって勇気を与えられれば、元気になってもらえればということしか私はできないと思いますし、選手達は本当に素晴らしいなと思っています。
Q:選手と接する時に大切にしていること、モットーは?
渋谷監督:実は私はしゃべるのがすごく好きで、選手にいつも監督としてしゃべっていると長くなってしまうので、選手が飽きてくるというのが大体の私の今までの流れです。私はマネジメントのところでいつも気にしているのは、選手にとにかく説明責任をする、私はそれが一番大事だと思っています。選手に、なぜならということを常に言いながら、メンバー外れたりする、出す意味というのを常に話しながらやっていくというのが私の基本的な方針です。それが監督として必要なのかどうなのかとか、そんなに話さなくてもこれでいくんだとかあるかもしれませんが、私は選手としっかりコミュニケーションを取ってやるというのが私自身の今までの監督としての振る舞いなので、そこを変えようと思っても難しいので、そういうところをしっかりと意識して、良いチームにするためにやっていきたいと思います。
Q:現状での来季の編成の手応えや展望
織田GM:年内は広島に籍がありますが、了解を得た上で、熊本さんの来季に向けた編成に加わらせていただいております。編成担当、監督とも情報を交換しながら、こういう選手がいたらいいね、とか、こういう選手を獲りにいこうとか進めておりますが、決まった選手もいますし、今からまだ返事を待たなければいけない選手もおりますので、今のところではなんとも申せませんが、渋谷監督に自信を持っておまかせできる編成にしたいと思っています。
たた
Q:監督は堅守多攻を以前より言われてますが、そのイズムを熊本でもやろうと考えていますか?それとも選手に応じて新しいものを作り上げていこうと考えていらっしゃいますか?い
渋谷監督:まずは一昨年、忘れもしない水前寺競技場で0-3で熊本に敗れました。あの時に対戦してて、非常にアグレッシブにプレーするんだなと、その時、大宮は構えてという感じでサッカーをやっていた、もちろんずっと勝っているということもあって、なんとなくアグレッシブさがないとすごく感じました。私が99年から大宮のスタッフにいて、その長い歴史を経て「堅守多攻」を目指している、理想を堅守多攻と言ったら一番の理想のサッカーではないのかなと思っています。それを言葉として出してるのが大宮ですし、それをやろうと思ってずっと理想を追い求めて2015年からずっとやってました。
熊本さんはアグレッシブにハードワークをする、ハードワークをするとうのはコンセプトにもありますし、当たり前ですけど、選手がハードワークをするというのはどこのクラブもそうですし、タフに戦う、アグレッシブに戦うというのは、どこも同じだと思います。熊本さんはボール扱いはしっかりできると私自身思っているので、堅守というのは攻撃のバランスがしっかりしている、多彩な攻撃というのは、ある程度のポジションからしっかりと動き出すということが必要なので、それは変わらないものだと思っているので、大宮でやってきたことというよりは、そこをしっかりと意識してやっていきたいと思います。理想は特典を多くして失点は少なくが理想です。ただ、どちらに傾くかというのは相手によって変わってくるし、自分たちが主導権を握れる、ボールを持てるんだったら、得点を取るということに、切り替えの早さを求めることになってくるので、基本的にはしっかりとしたオーガナイズ、形をしっかりと作る、プレーモデルを今の選手、今までの熊本さんでやってきたスタイルをやっていきたいと思いますので、これから新しい選手なども来て、今までの選手だったらこうだなとイメージがあるので、そこをしっかりと積み上げていけるようにしたいと思います。J2は42試合と長いシーズンですが、理想を追いかけてスタートダッシュに遅れてしまうと、サッカーのやり方とか戦い方が変わってくるので、まずはプレシーズンでしっかり落とし込めるような形にしたいとは私自身は思います。自分たちができること、今、熊本さんができることというのをしっかり踏まえて自分自身で考えていきたいと思います。